masaさん
　「靉光」何だか難しい名前の画家ですよね。
ご覧になったのは、自画像３点のものですね。
ほとんど同時期に３点連作で描かれているそうです。
どれも正面を向いてません。
確かにモジリアーニを彷彿とさせる感じも受けます。
１枚は目もほとんど塗りつぶされています。
２枚目は後ろに木が描かれていて、人物の左側は静かなのに、右側の梢
は嵐の中の梢のようです。３枚目は白い服の堂々とした胸が印象的です
。
靉光はほとんど同じポーズの自画像を３枚連作で描くきになったのでし
ょう？また、どうしてそれぞれのニュアンスを変えてあるのでしょう？
（何だか夏休みの宿題みたいですね。）
本人しか答えられないですよね。
ただ、学芸員といわれている方々は時代背景や、当時の記録などから作
品について詳しく調べることによって、その作品についてより深く理解
しようとします。
見えている絵は学芸員であろうが、絵に全く疎い人であろうが全く同じ
です。
ただ、その作品（あるいは作家）について、どの程度知っているかによ
って、作品に対する理解度といったものが異なってくることは考えられ
ます。（そのような見方が必要なのかどうかは別にして、ただ気になる
作品については、その作家のことも知りたくなったりすることは往々に
してあります。）
「目のある風景」が代表作です。ダリ的といわれてもしょうがないです
ね。確かに何らかのインスピレーションを受けていると思われます。他
にエルンスト等の影響も受けていたとされています。
一人の画家が自分の画風を確立するまでは多くの時間と労力を要するも
のだと思っています。

「絵にも描けない美しさ」と「一服の絵を見るような風景」といった言
い回しがあります。
自然か絵かですね。
これはかなり難しいですよね。
はっと息をのむほど素敵な風景の一瞬を感じたりすることもありますし
、一枚の絵を見て「こういう風景を以前どこかで見た記憶があるな。そ
して確かにこんな感じで眺めてた。」等と思ったりすることもあります
。

絵は自分でパルス信号を送り続ける作業なのかもしれないです。
審査員にその信号が届こうが、何十年か後の人に届こうが、別に気にな
らないのです。自分で納得してただただパルス信号を送り続けるだけで
すから。
理解して欲しいとは思いますが、理解して欲しいからだけで描いてる訳
ではないのです。

「靉光」の妹さんがご健在でいらっしゃいますが、先日のTVで靉光は生
前「僕の絵は生きてる内には評価されないだろうな」とよく言ってたと
いうことを話されていました。