宿題の答えを提出します。
多分、３点とも本人なりにうまく出来た試作だったのではないかと感じ
ます。私が何かを作るとき(歌、絵、たとえばどこかの会場の飾りつけな
ど)、一応テーマを決めるのですが、それに沿ってたくさんでてくるアイ
デアがひとつに集約し切れなくて、結局２〜３点の完成品が出来てしま
うということがあります。それで、単純に、そう考えましたが・・・ど
うでしょうか?　もちろん、正解は分かりませんね。靉光が自分の死後に
理解されるかもしれないと思った、その理解とは何かも聞いてみたいも
のですが、死者は何も語りません。

二科展で入賞されたある女優さんが、絵を描きながら、なんとなく絵の
具の乗り方でそこに人がいるような雰囲気になったので、いっそのこと
そこを人にしてしまったと行き当たりばったり的に作品が出来たという
ことをテレビで話していらっしゃるのを見たことがあります。そんな風
に出来上がる絵もありますね。
mitsuroさんの絵は、そうではなく、頭の中に初めからイメージがあって
、それに向かって描かれているのではないかとおもいます。時々途中で
変更が加えられながらも(もちろん時には、大きな変更が生じることがあ
ったとしても)、それは最初のアイデアの更なる発展であると・・・・な
んとなく思っていますが・・・違いますか?　木枠などを作っていらっし
ゃる段階で、だんだん構想が練られてくるということはあると思います
が、いずれにしても、行き当たりばったり的な絵には感じません。そう
思って見ているせいか、何か思想的なものが感じられ、抽象画を紐解く
ときのような興味深さがあります。どういう意図があるのだろう・・・
と、思わず絵の前にたたずんでしまう・・という感じでしょうか。『き
っと、こういう意図があるのかもしれない・・』と思いつつ見ています
が、解説があるといいなとおもいます。

自然界を見るときも、そのように見ています。どういう意図があるのだ
ろう・・と。
荘厳な夕焼けを見るとき、澄んだ月明かりの道を見るとき、私を幸福に
させたい偉大な芸術家の意図が見えます。
花を見るとき、私を慰めたい偉大な芸術家の意図がそこに感じられます
。
猫を飼っています・・・とてもかわいいのですが・・猫のしぐさを見る
とき、また可愛い声でニャオと鳴いて、私を呼ぶとき・・・私を優しい
人にならせたい意図が見えます。
ある人は真っ白な雲を見ていて、清潔な感じを受け、衣服や家を清潔に
しなければならないと思ったそうです。
自然界には、人を人間味のある良い人にならせ、幸福にするための影響
を及ぼす良いものが満ちていると思えます。それで地球で暮らす限り、
そのようなものと調和して暮らしたいと思っています。
自然か絵か・・自然も絵もだと私には思えます。コローが大好きですが
、あの風景や真珠の女などを写真で見たらどうだろうと考えると、あれ
は絵でなければならないと思いますもの。・・・美しいですよね。
絵は、切り取った自然界の一部に、人の心あるいは感情のスパイスがか
けられた・・・いわば調理された自然とでも言いましょうか。おいしい
ものがたくさんあります。